第81話
目が覚めると浦崎君はパソコンの前に座っていた。
「浦崎君……?」
私の声に彼は振り向く。
「あ、起こした?ごめん。」
……彼はショートスリーパーなのだろうかと思う。
でも今回は私のせいなんだけど。
起き上がると少し身体が痛い。
だけどそれはとても心が満たされた痛みだった。
パジャマのボタンを整える。すると自分の身体に赤い痕が所々に残っていた。
少しそのまま見つめていると、
「どうしたの?」
「あ、なんだか恋人同士みたいだな、って。」
「は?」
浦崎は不思議そうな表情をする。
「浦崎君がつけたこの痕が私の身体の一部みたいになってる。それって恋人同士みたい……」
そう言うと浦崎君は笑ってひとつため息をついた。
「俺は結構菜々に愛情表現してると思うんだけど今さらみたいな事を言うから困る。ずっと菜々を大切な恋人だと思ってる、だから自覚して?」
私は無言で何度も頷いた。
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