第75話

そっと浦崎君の部屋のドアを開ける。

室内はうす暗くなっていてオレンジ色の間接照明が1つ……ついているだけだった。


この状態はさすがに眠っているよね。


そういえば初めて浦崎君の部屋を見たあの朝、ミニマリストなのかと思った。


この部屋も変わらず無駄なものが何もない。


ベッドに近づくと黒のTシャツを着た彼がうつ伏せの姿勢で眠っていた。


……よかった、服着てる。

お風呂から出ると上着を長時間着ないからちょっと気になってた。

だって着ずに寝ることがあると本人言ってたから。

どれだけ暑がりなんだろうと思う。


あ、ちゃんと髪乾かしていない。少し髪が跳ねている。その跳ねた髪に触れるけど全然起きない。


でも起こすのが目的じゃないから髪先から手を離しやっぱり部屋を出ようとした。


すると、

浦崎君の手が私の指先に軽く触れた。

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