第64話

「ご、誤解です!私はサーバー室に用があるんです。」


アラームを急いで消すとサーバー室のタッチパネルに暗証番号を入力する。


「浦崎先生、今このSEさんのこと名前で呼びました?」


私は見知らぬナースの言葉に身体が固まる。


「は?そうだっけ?」


「とぼけないでください!夜に一緒にいた女の人ってこの人なんですよね?」


あ……また嵐が、来る。


お願いします、浦崎先生!

何とかこの場を丸く収めて!


すると浦崎先生はサーバー室内に入ろうとした私の腕を引っ張る。その拍子に彼の身体にぶつかって支えられる。


「バレちゃった、俺の彼女。」



……魂、抜けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る