Lovesick 10

第27話

「やだ珍しい、あの波久先生が明日の小児のオペの麻酔を私に任せてくれるなんて。そう思いません?浦崎先生。·····浦崎先生?」


藤田先生の声にハッと我に返る。


「どうしたんですか、寝不足ですか?そういえば集中治療部いま重症患者多いですからね。」


「まぁ、ぼちぼち·····です。」


俺は背伸びをする。


「あ、さっきICUの方で彩さんいましたよ。」


そう言われてシッポ振って菜々の所に行く事は出来ない。


というか一緒に眠らないってどういう事!?


「·····先生、悩める乙女みたいな顔やめてください。何か悩んでるんでしょ?そして聞いて欲しいんですよね?」


悩める乙女みたいな顔ってどんな顔だよ。


「藤田先生·····彼氏と」「今彼氏はいないわ。」


即答して彼女は席を外す。


聞く相手を完璧間違えた、俺。

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