第81話

「ごめん、怒ってる?」


後からシャワーを浴びた浦崎君は仕事に行く準備をしている私にそう言った。


生乾きの髪でそれも半裸で出てくるから思わず鼻血が出そうになる。


「お、怒るって私がですか?それよりちゃんと髪を乾かして服着てくださいっ、」


「あ、うん……、」


今日彼は久々の休み。

私もできるなら一緒に過ごしたかった。


「身体……痛くない、わけないよね。」


「だ、大丈夫ですっ。」


「昨日の俺、ちょっと余裕なくって、」


あ、自覚はあるんだ。

彼はチームリーダーの山本さんと何かあったのだろうか。


「そうですよ浦崎君、私が山本さんの事好きか聞いたりして。」


そう言うと彼は私を優しく抱きしめる。


あ……いつもの彼だ。

そして同じボデイーソープの香りがする。


「菜々が山本さんの事好きなら……俺は諦めるしかないのかな、」


え?

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