第68話

「俺知ってるんだよね。」


「な、何をですか。その指差すの止めてくださいっ、」


そう言うと山本さんは「あ、失礼。」と言って急いで手を下げる。


「麻酔科にイケメンの先生いるんでしょ?」


「ど、どなたの事を言ってます?」


結局動揺を隠せない私。

動悸がさっきより激しく感じる。


「彩さん、その先生に言い寄られてるんでしょ?」


「え、」


山本さんは笑顔で聞いてくる。


「さ、さぁ。」


私はとぼけた振りをする。


「止めた方がいいよ、」


無言で山本さんを見た。

突然どうしてそんなこと……、


「俺は大事な部下を守る責任もあるんだ。彩さんの将来を潰すような人が居たら困る。」



突然山本さんが真剣な顔をするから今に集中できない自分がいた。

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