第20話

「うっそ、そんな事あるの?」


そう言って浦崎君は私を不思議そうに見た。


「……あるみたいです。」


まさにそれが今の私。


「酔ってるの知ってたけど記憶飛んでるような素振りは分からなかったよ。」


医師なのに?


言葉にはしないけど私の目は彼には疑念と受け取ったのだろう。



「疑ってるの?」


「え?あ、まさかっ、」


疑ってますよ?だけど思い切り首がどっかに飛んでいくほど横に振る。


浦崎君は小さなため息をつく。


納得してくれたかな?一夜限りということを。


私にとっては浦崎君でラッキーだったけれど、彼にとっては人生の中の極小さな傷になったかもしれない。

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