第3話

彼は、


浦崎凪うらさきなぎという名前だった。


名前まで綺麗。




彼のことを思い出しながら眠ったせいか、

ちょっと変な夢を見てしまった。


夢の中の私は浦崎君と抱き合っていて……

それが妙にリアルだった。

恋愛感情なんてないのに。


ちょっと欲求不満なのかもしれない。


私に触れる彼の指先が現実的で訳が分からなかった。



今彼は何処で何をしているんだろう。



「浦崎君……、」


返事なんてかえってこないのに呼んでしまった。



「なに、いろどりさん。」

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