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「知ってるでしょ、私が男子苦手だって」
問題は、これ。
昔から男子を目の前にすると緊張で上手く喋れなくて、言葉に詰まってしまって。
成長するにつれ、ますます意識してしまうようになり、それはどんどん悪化していった。
今ではもう、自分から近づくなんて絶対に無理。
「別に、一緒にボール蹴れって言ってるわけじゃないんだしさ。見るくらいはいいだろ。そしたら、他の男子とは近くないじゃん」
「そうだけど……」
練習に参加しなくても、女子はそもそも入部すら出来ないんだから、見学者だって男子ばかりなんじゃないのかと思うんだけど。
そしたら、結局は男子の近くでサッカーを見なくてはいけないわけで。
「俺とは普通に喋るくせに」
生まれた時から近所に住んでいて、母親同士が親友。
そんな環境下で育った私たちは、物心がついた頃からお互いが遊び相手だった。
そんな、性別も意識する前から一緒にいた知宏は、もはや別々に住んでいる兄妹みたいなもので、今さら異性ということで意識することはない。
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