部室内レンアイ~ズルいです、先輩。

榊あおい

プロローグ

「誰かー!いませんかーっ!?」



サッカー部の部室内。時刻は午後十時。



「もう諦めたら? さすがにこの時間まで残ってるバカはいないって」

 


外から施錠された扉に向かって叫ぶ私に、のんびりと椅子に座った状態であくびをしながら望まない返事をくれるのは、

ひとつ上の浅野大翔(あさの ひろと)先輩。


こんな時間まで私たちが学校に残っているのには、一応それなりの理由がある。



「仲良くしようよ、梨子(りこ)ちゃん。どうせ、朝までふたりきりなんだから」


「いっ……嫌ですーー!!」



……助けてください。


苦手な先輩と、朝まで一緒の運命です。

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