11/2 霧のように、消えていきたい

誰の記憶にもとどまることもなく、ただ静かに、消えていたい。


いつかの思い出は、遠い彼方へと消えていく。もう、どう頑張っても手が届かないほどに。周りの迷惑にならないよう、消えていける方法があるなら知りたいものだ。


彼女と別れてから、この心が満たされることは、殆どなかった。この世に希望なんてなく、未来にもいいことなんてなく、絶望に打ちひしがれながら、今日を生きるくらいなら、誰の目にも止まることなく、消えていきたい。


全てがどうでもよく思えてくる、全てにおいて自暴自棄になってる気がする。自分の将来が潰れてしまおうが、そんなことももう、どうでもいい、どうせ将来なんてないんだから。


昔、まだだれとも関わりがなかった時、自分はどうしていたのだろうか。頑張って関われる人を探したっけ。もう今はそんな気力すら残されていないけど。


死ぬ勇気すらない人間は、未来に希望がなくとも生きていかなければいけない。だれか殺してくれれば、自分は楽になれる。どうせ、どうせ、何も持っていないんだから、生きていたってなにも救えない、なにも変えられない、そんな人間、生きていても意味なんてないだろう?。だから、いつの間にか、人知れず消えている霧のような存在に、私はなりたい。

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