第12話

嗚呼、神様仏様....これは何かの罰ですか?


 それとも試練なのでしょうか....。









「え、......!?」






 伊丹いたみ あん(齢25歳アラサー)つい先日、童貞を奪ってしまった男によって連れ去られてしまいました。





 会社の先輩の送別会の飲み会で酔っぱらって、一次会で離脱した私。


 タイミングよくセフレ君は引っ掛けられず、キモいナンパ男に絡まれて、そんな場面に現れた男は、実はヤクザで....頭がパンクする!





「落とし前つけろ。」なんて、黒いオーラを放つ綺麗な男が、神々しく笑みを浮かべたのだ。








 有無を言わさず、逃げられない様に腰に回った腕は、うろ覚えの筋肉質。




 都会の喧騒の中、路地に停車する怪しい黒塗りのセダン車に押し込められれば、運転手の人が動揺を隠せない様子で私をミラー越しに二度見する。






「戻るぞ。」




 冷たく、淡々と発せられた言葉に、我を取り戻した運転手がギアをドライブに入れた。







 もしかしてだけど、私酷い目に遭わせられるんじゃありませんかね?





 隣で密かに私のお腹の贅肉を鷲掴みする男をチラリと覗き見れば、"なんだ?"と言いた気に目が合う。






 妙に緊張して、無言の車内は気不味かった。




 時折、ミラー越しに運転手さんが見てくるが、その人相は悪くて、嗚呼....人生終わった。とか魂が抜ける様な感覚に襲われた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る