第45話

「えー!家の前で待ち伏せ!?」


『うん。てか声でかい』


次の日、出社して誠二のことを真希に話した


「ごめんごめん。しかもより戻したいって?何ソレ!超ムカツク!」


『ハッキリ断ったし、もうないとは思うけど』


「もしまた来たらどうするの?」


『どうするって…』


そんなこと考えてなかった


「しつこくされたらあたしに言って?」


『真希に?』


真希は身を寄せて小声で話した


「だって彼氏には言えないでしょ?それで俺が言ってやるーなんてことになったら、誠二くんに弱味握られるだけじゃない!」


『わかってるよ。大丈夫、その時は自分で何とかするから』


そう

昨日本当のことを言えなかったのも、真希と同じ考えが頭に浮かんだからだ

お金のために私を利用した誠二

冬弥と付き合ってるなんて知ったら、何をするかわからない


「その時はあたしにいい考えがあるから!」


『ん?ありがとう』


真希は鼻息を荒くして自信満々にそう言った


「一ノ瀬、真希。ちょっといいか?」


いつの間にか背後に立っていた夏川先輩に呼ばれる


「はーい♪」


真希はいつでも夏川先輩には目を輝かせる


『はい』


手招きされて会議室に連れて行かれる


私と真希はお互い顔を見合わせた


「?」


『?』

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