第16話

「あー。友梨ずるーい」


『真希、おはよ』


「おはよう」


私と夏川先輩の間を恨めしい目で割って入ってきた真希


「夏川先輩♪おはようございまーす♪」


「朝から元気いいな」


「えへへー♪」


真希はいつもと違う笑顔を見せた


『どしたの?何かいいことあったでしょ?』


「わ・か・る?」


「何だ?」


「ジャーン!」


真希は左手の甲を私達に向けて見せつけた

その薬指には、キラリと輝くダイアモンド


『え!それって!』


「うふ♪昨日プロポーズされちゃった♪」


『嘘!おめでとう!』


「ありがとー!」


私は素直に嬉しくて、真希とキャッキャと抱きあった


「おめでとう。真希が結婚か。先越されたか」


「夏川先輩にも幸せ分けてあげたいですよ」


「ハハハ。分けてもらいたいよ。いつ結婚するんだ?」


「来年の春です♪」


「今10月だから、あと半年くらいか」


『結婚したら仕事辞めるの?』


「それどうしようか悩んでる」


幸せムードが一変する


『真希の彼氏外資系でしょ?真希が家庭に入っても十分やっていけるんじゃない?』


「へぇ…すごいな。外資系なんて」


「そうだけどぉ…毎日家にいるのも退屈かなーって」


『じゃあしばらくは続けるの?』


「子供できるまでは働こうかなーって。彼も続けていいって言ってくれてるし」


「結婚式は?」


「4月にやりますから来てくださいね♪あ、それでね」


『?』


真希はニコニコと私の顔を見た

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