1.
第1話
「ゲホッ、ゴホッゴホッ」
いつもと同じ通勤電車
同じ時間に起きて、同じ時間に電車に乗って…
「ゲホッ!ゲホッゲホッ」
ただひとつ違うこと
通勤ラッシュで押し潰されるほど混雑する車内が、私の周りだけ少し空いていた
「ゲホッ!ゴホッ」
いや
私の周りというより、私の隣に座っている男性と言った方が正しいかもしれない
理由は先程から大丈夫ですか?と声を掛けたくなるほどの咳だ
しかもこの男性…
真っ黒で大きめのサングラス
若めのデザインのキャップ
顔半分覆い尽くすマスク
全くと言っていいほど顔が見えない
一言で言ったら"怪しい"のだ
その為か、周りの人たちは怪訝そうな顔をして彼と距離を置いている
そんなことにかまってられないと言った感じでツラそうなのは伝わってくる
隣にいるとわかる
咳を我慢していること、息が苦しそうなこと
完全に風邪の症状が出ていることが
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