第49話

講義が終わり、次の講義までの休憩時間に昨日の事を二人に話した。


「は?あのクズ、あたし達が帰った後に来たの?!」


「クズでストーカー?振られたんなら天音に構わないでよね!何なの?しつこい男、だから男は嫌いなのよ」


美香と麗が怒りを露わにする。



言い辛い雰囲気の中だけど、話す事がある。


「……あのね、言い辛いんだけど、あたしやっぱり天真の事、気になるって言うか、嫌いになれないんだよね。」



二人は目を見開いている。


「…っ、まさか、より戻すの?」


信じられない、とでも言いたげな表情で聞く麗。


「まだ、それはないよ。そこまで決心出来てない」


「あいつに、散々な目にあわされたの忘れたのっ?!」


「…わかってる。」


「っ、わかってないでしょっ?あたしは認めないわよ!もう天音のあんな寂しそうな顔、見たくないっ!!」


「…麗」


麗は泣き出しそうな表情をして教室を出て行った。


「…麗も心配してるのよ、今は一人にしてあげましょ?」

美香が優しく、肩をさすってくれながら話した。



麗は次の講義は戻って来なかった。代わりに美香が代返をしてあげていた。

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