第47話

やっぱり男の人だからか、乱雑なタオルドライのおかげか、ドライヤーをかけたらすぐに髪は乾いた。

後ろから見る天真の背中は男の人なのに、あたしより綺麗だった。


(顔も髪も瞳も背中もどこを見ても綺麗…)



カチッと、ドライヤーを止めるとしん…と静かになる部屋。


くるりと振り返り、あたしを見上げながら手を握り、

「さんきゅ」と、柔らかく笑う天真。


その笑顔にドキッとしながらも、うまく隠しながら

「ご飯のお礼だよ。」

と伝えた。





それから暫くして、座りながら、大学に行く準備をするあたしに近づきそばにしゃがむと


「俺も着替えたいし、一旦家帰るわ。戸締まりしっかりしろよ?」


と言い、あたしの額に口付けて目尻を親指の腹でゆっくり、撫でると部屋を出て行った。


残されたあたしの顔は真っ赤に染まっていた。

暫く、顔の熱は引かなかった。

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