第44話

「天真の分は?」


「俺は朝食べねぇから」


「…わざわざあたしの分だけ作ってくれたの?」


「待ってる間、暇だったし」


「…ありがとう。昨日もベッドまで運んでくれたし、心配して部屋まで来てくれて」


(一度別れてから分かった、天真の優しさが心地良い。)


「だから、大したことしてねぇって。それより冷める前に食っとけ。俺はシャワー借りるな?」


「あ、うん!脱衣場にタオルとお兄ちゃんのだけど新品の下着置いてあるから!サイズ的に多分大丈夫だと思うから、良かったら使って?」


「さんきゅ。」



そうして、あたしの頭を軽く撫でて脱衣場に向かった天真の後ろ姿を見送り、有り難く朝食をいただく事にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る