バレンタインデー

天川裕司

バレンタインデー

タイトル:バレンタインデー


俺はバレンタインデーに良い思い出が1つも無い。

義理チョコを、親戚のおばちゃんからもらったのみ。

それからと言うもの、

バレンタインデーは俺にとって安息の日となった。


友達「なんだよお前wまだそんなのに夢抱いてるのか?」

「別に夢なんだから良いだろ」(ちょっと怒り調子に)

友達「しょうがねぇなぁ〜、じゃあ付き合ってやるよ」


俺は大学生ながら、都内のアパートに住んでいる。

そしてこいつは同じ大学で、俺の隣の部屋に住んでいる。

俺たちが住んでるのは思いっきりの簡易アパート。

もともと壁に穴があったからそれをうまく利用して

このバレンタインデーに俺と友達なりの工夫を凝らし、

それなりに楽しくこの日を過ごす方法を見つけていたのだ。


「このアパートがボロアパートでよかったよ♪」

友達「だよなー、壁抜けてても大家、何にも言わねーしなw」


その空いた壁の穴を塞ぐように

俺はお気に入りのアイドルのポスターをかけ、

そのポスターのちょうど手の部分を丸く切り抜き、

隣から友達にチョコレートを渡してもらう…

という事をやっていたのだ。

実はこれ、去年もやっていた。


友達「じゃあ一旦部屋戻るからよ、向こうから渡すぞ」

「お、おう!頼むぜ」

ちょっとハズいけど、まぁ仕方がない。


「いつでもイイぜ!」ってな具合で俺は部屋で待っていた。

友達「よし、渡すぞー」

隣から友達の声が聞こえる。

筒抜けになってるからよく聞こえるもんだ。


そして間髪入れずニュッと出てきたのは

赤いマニキュアをつけた女の手。


「…??うおわっ!!」

一瞬、間(ま)をおいて、尻餅つくほどビビッた俺。

女の手はすぐ消えた。

そしてその直後、友達の手が出てきた。


友達「…おいどした〜?早よ取れよ」


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=l8YiRcitSUY

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バレンタインデー 天川裕司 @tenkawayuji

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