鬱になった。僕に自称聖女が優しく微笑む
鐘を鳴らす怪物
第1話鬱になった。僕の元に聖女が現れた。
「はぁーしんどい・・・・・・会社辞めたい・・・・・・」
自社の屋上で、一人の男が深いため息を吐きだしていた。
男は、鉄の柵に両腕を乗せ。自動販売機で買った。
缶コーヒーをチビチビと飲んでいた。
大学を卒業後。現在の会社に新卒採用されて入社した。
入社一年目は、やる気に満ちていた。どんなきつい業務でも
率先して挑んだ。だが、それは長くは続かなかった。
上司の何気な言葉が、彼のやる気スイッチをオフにした。
「立川くんみたいな、何も考えずに働きアリのみたいに
働く姿勢。僕は好きだよう」その言葉に、立川の
心は折れた。当の本人は、そんな深い意味で言っていないけど。
その言葉を受ける本人は違う。その何気ない言葉でも、人の
心を簡単に折る事はできる。上司の何気ない言葉を受けて以来。
立川の仕事への情熱は消えた。次第に、立川は周りとの
コミュニケーションが取れず。その結果、些細な事で
仕事をミスしてしまった。今日だって、取引先の人に
迷惑をかけてしまい。現在、自社の屋上で落ち込んでいる。
「はぁー会社。辞めたいなぁ~」嘆息に独り言を言う。
立川は、その後。精神科に通院する事に、診療の結果は
鬱と診断された。鬱病。体に倦怠感を感じ。全ての事が
どうでもよくなり。頭の中が、白い靄がかかった。そんな感覚を
立川駿は感じている。「わかった。しばらく休暇をとりなさい」
「ありがとうございます」立川は、しばらくの間。治療に
専念する為に、会社を休む事にした。あの鬱になる原因を作った。
上司が、快く長期休暇を認めてくれた。丁度溜まっていた。
有給もあったので、それを理由させてもらう事にした。
「しばらくは、大人しくさせてもらうか・・・・・・」
立川は、いつものスーツ姿から。ラフな部屋着姿で、
一日を過ごす事にするようだ。白の無地Tシャツに黒の半ズボンの
シンプルな部屋着で、一日を過ごす。「・・・・・・ダメだ。まったく
休めない」立川は、一日を部屋で過ごすなど。学生時代以外しては
こなかったので。何をしていいのか分からず。体を休めないでいた。
「もうこんな時間かー」スマホの画面を見ると、時刻は午前11時を
回っていた。この時間は、外回りをしている事が多く。こんな風に
過ごしていいのかと自分で自分に問いかける。だが、何も答えは出てこない。
立川が、スマホで時刻を確認していると、ピンポーンと部屋のインタホーンが
鳴った。「は、はーい」少し驚き。両肩がピクッと上下に動き。
慌てて玄関に駆けこむ。考えてみれば。立川は、ほとんど家にいなかったので。
自宅のインタホーンを聞くのが初めてに近い感覚だったらしい。
「はーい。どちらさまでしょうかー」ドアを開ける。適当に履いた。
100均の安いサンダルを履き。ドアを開ける。インタホーンのモニターで
相手が誰なのか確認せず。そのままの勢いで、ドアを開ける。
すると、そこに立っていたのは。「初めまして、私の名前はアサと申します。
あなたの為の聖女です。あなたの癒しのひと時を共に過ごす為に。
神様から派遣されました」白色のローブを身に纏い。綺麗な金色の髪が
キラキラと輝き。自身の胸の前を両手を組み。立川に、優しく微笑む。
聖女様が、現れた。立川は茫然として、その後に「ど、どうも」と
彼女に声をかけた。それを聞いた。聖女様は「はい」と優しく返事をした。
「ど、どちら様?」立川は、もう一度。彼女に声をかける。
見た目が聖女の彼女に不器用にもう一度。聞いてみた。続く
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