耳と目を守り、対策
星咲 紗和(ほしざき さわ)
本編
わたしは、帽子を深々とかぶり、サングラスをかけ、イヤーマフを装着して外出します。周りからは少し奇妙に見えるかもしれませんが、これが私の日常です。感覚過敏やHSP(Highly Sensitive Person)の特性を持っていると、様々な刺激に対して非常に敏感になります。大きな音はもちろん、些細な雑音ですら気になり、強い光は目に刺さるような痛みを感じることもあります。特に花火のような強烈な光と音が混ざるものは、わたしにとって最悪の経験となります。
そんな日常を少しでも楽に過ごすために、私は自分なりの「耳と目を守る対策」を考えました。それが、この帽子、サングラス、イヤーマフの3点セットです。この装備が、外の世界と私との間に心地よい「フィルター」を作ってくれるのです。
まず、帽子。深くかぶることで視界が狭くなり、外の景色をすべて見ることなく、必要な情報だけを取り入れることができます。人の視線を感じることも減り、心の負担が軽くなります。帽子が作り出す小さな「個室空間」の中で、私は外の世界と自分との境界線を引き、安心して歩くことができるのです。
次にサングラス。わたしは普段メガネを使用しているので、その上から装着できるオーバーグラスタイプを使用しています。これは強い日差しから目を守るだけでなく、人混みの中で視線を合わせることを避ける効果もあります。視界が少し暗くなることで、心の中に静かな空間が広がり、落ち着きを保つことができます。
最後にイヤーマフ。私は耳栓タイプを使用しており、見た目もそれほど目立ちません。周りの音を完全に遮断するわけではないので、危険を察知することもできます。雑音や騒音を軽減してくれるこの小さなアイテムが、外の世界を少しだけ「静か」にしてくれます。
これらのアイテムを使用することで、わたしは「外出」というハードルを少しだけ下げることができました。感覚過敏やHSPの特性を持っている人は、外の世界がまるで攻撃的な存在に感じることがよくあります。わたしにとって、外出することは戦場に赴くようなもので、少しの音や光がまるで剣や銃のように私を襲ってきます。そんな時、この装備がわたしを守ってくれるのです。
外の世界は変えることができませんが、自分を守るための方法は、自分で工夫することができます。自分が快適に過ごすために、どんな手段を使うか、それを選ぶのは自分自身です。たとえそれが奇妙に見えたとしても、自分の心と身体を守ることが最優先。これからもこの3点セットを使いながら、自分のペースで外の世界と向き合っていこうと思います。
時々、「そんなに気にしなくても大丈夫だよ」と言われることもありますが、わたしにとってはとても重要なことなのです。自分の感じ方を否定するのではなく、どのようにすれば心地よく過ごせるかを追求し続けることが大切だと感じています。
これがわたしの「耳と目を守る対策」。これからも、この装備を使いながら、自分のペースで外の世界と向き合っていこうと思います。
耳と目を守り、対策 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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