第31話 君がいなくても過ぎる日々 その九

 何時も、お世話になります。閑古路倫です。今回、ちょっと短めです。毎日更新を目指しますが、ちょっと最近厳しいです。

 抜けてしまったら、御勘弁願います。




 朝、目が覚めて後悔した。

 勢いで、何も考えずに、浦安ランド行きを決めてしまった。

 ミー君のせいだ!あんな綺麗な娘と、デートしているから。

 私のこと諦めたのかな?

 しょうがないけど!見捨てられた気分だ!

 今日は金曜日、あっ、13日だ、13日の金曜日だ。別に、信じてはいないけど!

 気分が更に重くなる。

 バス停で、寧子に会った。

 ミー君とあの女のことを話した。寧子は、笑いながら、甲斐性なしの愚図男が、そんな器用なこと出来るわけない。

 とマー君みたいなことを言う。

 でも、ガッコが浦安ランド行きを決めてくれて嬉しい!と言われてしまった。

「あなた達、私と西城君くっつけようとしてない?」  

「それは、有るかも?あんな愚図男、待っていたって、時間の無駄だよ!ガッコは、愚図男を傷つけたと思って、同情してるだけだよ!」 

「私、そんなに偉くないよ、ミー君に助けてもらいたいんだ優しくしてもらいたいの」 「西城君も、優しくしてくれるし助けてもくれるよ!何より、今、愚図男には会えないでしょう!」 

「それは、私が決めたことで、ミー君は知らないんだよ」 

「何を言ってもダメ、私、納得出来ない、今を大事にしなよ」

 バスが通学駅前に到着した。

 私は、言葉を無くしたまま、学校へ続く路を歩いた。

 校門を潜り、玄関口で靴を履き替え、教室の引き戸を開ける。

「おはよう!」

 小歳君が声を掛けてくれた。

 「おはよう、小歳君」

 「ガッコちゃんも、一緒に行くんだろう浦安ランド!楽しもうぜ!」 

「それは、ちょっと迷っているの」 

「あっ、そうなんだ俺達に分かんないこともあるだろうし、無理には誘わないけど来てくれたら嬉しいな!じゃあね、またあとで」 

「うん、あとで」

 昼休み、大分心が落ち着いた。結海と寧子が来てくれた。

「今朝は、悪かったわ、ごめん!」 

「良いの、寧子が心配してくれてるの分かるから。でもね、あんまりミー君のこと悪く言わないで、悲しくなるから」 

「分かった、もう、言わないよ」 

「でね、私たち、ガッコと一緒に遊びたいだけだよ!西城君も良い子だから、そうなれば良いとは思うけど、無理にくっつけようとは思ってないよ」 

「分かった、もう、少しだけ考えさせて、明日には、返事するから」 

「分かった、待ってる」

 結局、私は行くことにした。

 行かないことは、ミー君を信じて待つ事にはつながらない。ミー君と、約束も無いのにそれをしても私の心が重くなるだけだ。

 いつも、曖昧に微笑ってる少年!

 気弱さの裏返しの優しい少年!

 何でも、自分で抱えてしまうお人好し!

 何故か?私のことを大好きで、隠しもしないで無邪気な笑顔を見せてくれる。

 あの子が、私は大好きだ!

 あの子を守るために、私は強くなりたい!

 私が、今を諦めちゃだめなんだ!

 ミー君が居なくても、自分の楽しいを忘れちゃダメなんだ。

 何でも、全部をミー君のせいにして止めてしまうことは。責任転嫁!責任放棄!

 私は、自分で何でもコントロールして、今度ミー君と会った時、こう言いたい!

「ミー君が居なくても、楽しく生きて来たよ!ミー君これから、もっと楽しく生きて行けるよ、私が!」




 俺の日常、三馬鹿集ってダベリング!

 俺が、一人で居られないのはコイツらのせいだ!

 気楽で、馬鹿っ楽しい!

「カイタロー、詩ぃ書いたか?」 

「傑作!出来たぜ!」 

「どんなだよ、読んでみれ!」 

「オッケー!」

「朝、目が覚めたら」 

「朝、目が覚めたら、どうした?」

「腹が減った〜かぁちゃん!母ちゃん!今朝も、納豆ご飯、only じゃ!手抜き〜だぜ」

「何だよ、それ!」 

「たまにゃ!焼肉つけろ〜!ついでに、すき焼き喰わせろ〜!手羽先、唐揚げlove だぜ〜」 

「少しは、真面目に考えろって!カノミー、激おこだぜ、こんなんじゃ!」  

「んじゃ、ノゾキヤローは?ど、なのよ?」 「俺は、ちゃんと、してんぜ!何時も!」「ほんじゃ、読むぜ!雨が降っている、朝からずっと」

「良い、出だしだね!」 

「まあね!傘がないから、コンビニでぃ〜え!買った。買って、すぐに、キノコになった〜!金返せ!金返せ〜ヨ」 

「何処が、真面目だよ!カノミーに連打されんぞ!」 

「ほんじゃ、最後に、一寸さん?」 

「便所コオロギは、泣かない!水洗便所じゃぁ泣けない!ポットン便所じゃなきゃ鳴けない!ハネ(ハネ)がないから〜」 

「何だよ〜っ、お約束かよ!」




「ところで、一寸さん、カノミーとの買い物デート、ど、だった?」  

「どうもこうも、カノミー自分の買い物、優先でよ、男モンのトレーナーなんぞ、お買い求められて!俺の買い物は、二の次だったぜ!おまけに、最後は、さっさと会計済ませて外で待てって!」  

「オッ、プレゼントでも貰ったのか?」  「そりゃ、無い、無い!でも、何買ったのかね〜メンズショップで?」





 翌週の、カノミーとの“音合わせ”の時カノミーから皆んなにプレゼントがあった。

 ちょっと、カッコいいデザインの、バンダナだった。

「ノゾキヤローが赤ね!カイタローが青ね!一寸さんが白で、私が黒!」 

「何で?黄色とピンクじゃね〜の?」  「戦隊モノじゃあ、無いんだよ!」 

「弦楽器戦隊!サンバ・カメンズ!」

「Ride on!」 

「カノミー・ウィズは、ど〜した?」 

「ペッタン!ペッタン!お餅つき〜!ドラムは叩いても、杵はつかね〜ぜ」

「いよっ!カノミー日本一」 

「マジ!おめえら!死にたいんか?あぁ〜ン誰が?ペッタンだよ!どこが?ペッタンだよ!」  

「「「ウッワ〜ッ!スティック!いてぇって!痛い、痛い!」」」

「「「マジ、勘弁、許して〜」」」

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