この世界を生き抜くためには
@futa120612
第1話
仕事を始めてはや3年、失敗を可愛がってもらえる期間も終わり責任だけが増えていく。
そして残業も増えていく.....ああ、なんて生きにくいんだ世の中。
寝て起きたら世界が変わっているなんてそんな非日常起きないかな。
ま、起きたらおきたで困っちゃうんですけどね。ははっ。
はぁー、まぁ本当に終わるんならこれからの土日が終わって月曜日が始まる瞬間にでも起きてもらえると......うれし...............................。
そんな馬鹿げた妄想をしながら私は眠りについた。
「ん、んぅ~~~~....」
少しの頭の重さを感じゴロゴロとベッドでくつろぎながらスマホを開く。
時刻は14時。
いくら休日だからといって流石に寝すぎたか.....。
少しの後悔を感じながらも、もうひと眠りつくために布団をかけなおそうとしたその時、ふと視線の左端にプレゼントボックスのようななにかが見えた気がした。
「ん??ついに幻覚がみえるようになった?オワタんか私???」
頭のだるさを打ち消すように体を起こす。
そして目を凝らすとやはりプレゼントボックスらしき....いや、プレゼントボックスが見えた。
「なんだこれ、え、パタパタしたら消えるか.....??」
ぶつくさとつぶやきながら消し去るために左手で払おうとする。
と、その物体に手があたった。
幻覚だと思っていたそれはまさかの現実に存在しており、つかむことができた。
ついに私は狂ったのか、、、???
仕事のし過ぎで狂うとか人生悲しすぎる.....。
そう悲観するのも無理はない。だって空飛ぶプレゼントボックスだ。
意味がわかるわけがない。というかわかりたくない......。
そう考えながらもそのプレゼントボックスを捨てる気にもなれず改めて目の前にもってよく観察する。
「いや、どこをどうみてもプレゼントボックスだよな.....え、ボックスってことは開くんか?どうやって.....」
考えた瞬間ボックスが淡い光に包まれ瞬く間に粒子になって消えていった。
そして残ったのは中から出てきたであろう一枚のカードだった。
「なんだなんだ.....???Sランク?能力名【盗人の本懐】.....???は?」
意味がわからないことが続き疲れた脳にはその出来事を冷静に受け止めるキャパがなく、私は意味がわからないとそのカードを破り捨てた。
その時
【能力を認証しました。付与します】
簡単に言えばゲームのレベルアップみたいな、すこし壮大なBGMが頭の中に流れ唐突に無機質な言葉が聞こえた。
そして言い終わるやいなや目の前に現れたのはゲームでよくあるステータス画面そのものだった。
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【能力:盗人の本懐】
能力1:認識阻害
己の認識をゆがめ他者から把握されなくなる
己よりもランクが高い能力者には効果が効かない
能力2:物質掌握
他者の物を己の物にする
物質には触れなくても視界に入り認識できれば物質を掌握可能
Level:1
攻撃:2
防御:4
知力:8
速さ:10
俊敏:9
器用:8
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「いやいやいや.....なんだこれ....」
ざけてる。そう言おうとしたが口を噤んだ。
なんでこんなことが突然おきる。
なんのために????
まだ異世界に転生して能力を~とかならまだ。まだ百歩譲ってわかる。
でも私は今自分のベッドにいるしその可能性は少ない。
となると、これからこの能力が必要となる時代がくる.........??
漠然と。
ただ漠然といやな予感がした。
瞬間私の足は玄関へと向かっていた。
靴を履き、マンションから飛び出る。
まずは人を観察するために大通りにでることにした。
そして見たのはプレゼントボックスに気づかず歩く人々の姿だった。
「まじか......これ」
私はどんな顔をしていたのだろうか。
間違いなく見たことないくらいには真っ青になっていた自信はある。
「なにが起こってる.....??いや、これからなにが起こるんだ......」
多分だけど、私のこのいやな予感はあっている。
そんな気がした。
少しだけその場を離れてビルの隙間に身を寄せる。
そしてもう一度ステータス画面をよく見た。
私に今できることはなにか。
これから起こることはなにか。
(私がこれからすべきこと。自身の身を守るためにできること.....)
疲れた頭をフル回転させて考えた。
(私の能力は物質掌握.....物質.............ん?あのプレゼントボックス触れたよ...な?)
私は認識阻害の能力を使用し、ビルの隙間から身体を出し目の前を通った見ず知らずの人のプレゼントボックスに触れた。
そして私の時と同じく淡い光を発しながら粒子になって消え、一枚のカードが手元に現れた。
「なるほどね.........」
もし、私が想像する【最悪な非日常】がくるのであれば多分このカードをいっぱい集めておいたほうがいい。
漠然とした考え。されど私は私の直感にしたがった。
「はぁ、はぁ.......」
あれから3時間ほどたった。
走っているわけではないのになぜかとても疲れる。
能力を使用しているからだろうか.......???
人通りが多いところに来たおかげか手元には600枚超のカードを手に入れた。
疲労的にもこれ以上の無茶はできそうにないため一度家に帰ることにした。
家に帰り床にカードを広げた。
さすがに数が多かったが一旦ランク別にカードを仕分けすることにした。
「D、E、E、F、D、D、C........いやDとE多いな.....」
「直感に頼ってカード盗ってはみたものの、使えるものあるのか......えっ!?」
すでに400枚近いカードを仕分けして疲れ切っていたが目に飛び込んできたカードを見てすべてが吹き飛んだ。
SSランク【能力名:戦神の寵愛】
「や、やばいのでたやばいのでた......」
冷や汗をかきながらも冷静になるべく、一旦そのカードはテーブルに置いて他のカードの仕分けを続ける。
合計4時間ほど。よくやったとほめてもらいたいくらいだ。
カードは合計667枚。そして内訳はこんな感じだった。
SSランク:1枚
Sランク:3枚
Aランク:6枚
Bランク:15枚
Cランク:38枚
Dランク:218枚
Eランク:279枚
Fランク:107枚
「やっぱりDとEだけ枚数えぐいな.....このランクが平均ってことかな、、?」
そんなことを考えながら、ちゃっかり帰り際に百均で買っておいたカードケース入れにしまっていく。
全ての工程を終え、改めてSSランクのカードと対面する。
「なんかい見てもSSランクだよなぁ......すっげぇ。確率で言ったらどのくらいになるんだろう」
まじまじと観察をする。が、カードの表面に能力名が書いてあるだけでそれ以外の情報はとくにない。
「ためらってても仕方ないし......よし、、!!!」
意を決して自分が能力を得たときと同じくカードを破いた。
もし能力が一人1つなのだとしたらこのカードを破いたとしても無効になるかもしれない。
そんな予感も脳裏によぎったが、何となく。
ほんとうになんとなくだが、いける。という確信が私の頭にはあった。
そして破いた紙は消えていき、同じくレベルアップのようなBGMと合わせて無機質な音声が聞こえた。
【能力を認証しました。2つ目を付与します】
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【能力:盗人の本懐】
能力1:認識阻害
己の認識をゆがめ他者から把握されなくなる
己よりもランクが高い能力者には効果が効かない
能力2:物質掌握
他者の物を己の物にする
物質には触れなくても視界に入り認識できれば物質を掌握可能
【能力:戦神の寵愛】
能力1:能力上昇
己のレベルアップ時80%の確率で2倍能力値が上昇する
能力2:戦闘の知恵
全ての武器が使用可能になる
また、呪いが付与されている武器も無効化して使用可能
能力3:健康体
状態異常無効化
身体が破損しても時間経過により修復される
Level:1
攻撃:17(+15)
防御:14(+10)
知力:10(+2)
速さ:18(+8)
俊敏:15(+6)
器用:11(+3)
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