第2話

眩しいほど光った瞬間、『バーン!!』というとてつもない衝撃音が鳴り、部屋が真っ暗になり停電した。

私は半泣きになりながら、そのとき、誰もいなかった部屋で、「誰か、助けて……」と繰り返し呟いていた。


今でも雷の音が聞こえると、そのときの記憶が頭をよぎり、冷や汗が湧いて、恐怖に震えてしまう。

もう条件反射になってしまった。


母は、子どもの頃に雷でとても怖い思いをしたらしく、私より年季の入った雷恐怖症だ。夕食を中断したのも母の方が先だった。


母は小さな頃から雷に怯えていたため、気象に関してとても詳しくなった。気象予報士が使う言葉で天気を説明できる。本人にとっては悲しい理由だが、私はとても頼りにしている。

近頃は、雷カンピューターも身に付けたらしく、

「今日は多分、大丈夫」

「今日は、ヤバいかも……」

と予言をすると大抵は当たる。


私もいずれ、母の境地に到るのだろうか……。

全く嬉しくはない。


耳を塞いで雷に耐えているとき、いつも昔自分がしてしまった悪いことを思い出す。

まだ雷が怖くなかった頃、雷を怖がっている母に向かって、「ピカピカ~!」「ゴロゴロ~!」と叫び、今思うと最低の嫌がらせをしていた。

何だか今天罰が下っているような気持ちになって、心の中で、

(あのときはすみませんでした!許して下さい!)

と念じてしまう。

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