前世の記憶持ちの料理好きΩ、何故か王子様達に気に入られました。

橋本衣

保護&W初恋編

第1話 誘拐されたあの日から



昔はとても幸せだった。

カッコよくて勇ましいく家族に過保護な父に優しく綺麗で家族を大切に思ってくれる母、5人の兄と4人の姉が居て幸せな毎日を送っていた。


「こら、ユリスティア、そんなに走ると怪我をするぞ?


「大丈夫だよ!」


「ふふっ、ユーファに似て明るく育って良かったわ」


「なに、リリィーリャに似て可愛く育ったぞ。あれは良い嫁はなる。お前に似てな」


「あら、貴方ったら!」


「父様、母様、弟妹達の前でイチャつかないで貰って良い?それに、2人共良い歳だろ?」


「エルフィア、辛辣!泣くぞ!?」


「勝手に泣いといて下さい」


「エル兄様、辛辣ってどう言う意味?」


「えっ?、あぁ、その人に手厳しい、厳しいって言う意味だよ」


「へぇ〜、、なら、エル兄様は母様も父様も嫌い?」


「、、、、!?、何でそうなる!?、確かに、父様、母様には厳しいが、嫌いではない、、、寧ろ、」


「むしろ?」


「、好きと言う感情しかない」


「「エルフィア!!、俺/私、も大好き!!」」


「うわぁ〜!!こっちくんな!!」


「あぁ、またやってるよ〜、ほんと、また説教されるに決まってるのに、母様達こりないよね」


「だね〜笑、、リティア?どうした?」


「僕も、、僕も!!」

「母様!父様!兄様!姉様!大好き!!」


「「「「「「「「!!!!!」」」」」」」」


「「「「「「「「俺/僕/私も、大好き!!!!!!」」」」」」」」


あの日、あんな出来事が起きるまでは、、、、





「離しし、て!」


「大人しくしろ!」


「コイツ、良い加減にしろ!!!!!!バッ! ((右手を高く上げ、ユリスティアを叩く様に近づく))」





バッ!! バサッ


「ハァハァハァ ゆ、夢か」


叩かれる寸前で目が覚めた。また、見てしまった。見ない様にしていたのに。


「雪が降ってる、綺麗だなぁ、、、ぁ、早く掃除しなきゃ、怒られる」


ベットから起き上がって窓に近づいて外の景色を確認した後、パジャマから服に着替える。糸がほつれていたり、布が継ぎ足されていたりするが、僕は気にしない。

着替えた後は、急いで部屋から出て一階に降り、外に出てバケツに水を入れて、雑巾を魔法で浮かせて、バケツに入れて、濡らし絞って1階、2階、3階、4階の廊下や窓際、部屋以外を拭き、箒を浮かしたりして掃除をする。

そして短い針が8時に指差す時、この家の使用人、主人共が動き出す。


ガチャ


「あら、ユリスティア、ご苦労ね。しっかりと掃除をしたんでしょうね??」


「はい、ご主人様、外の井戸から水を取り、手だけで雑巾を使って拭きました」


「よろしい、こんな真冬でもちゃんと外の井戸を使いなさいね」


「はい、」


「ちょっと!ユリスティア!この服お気に入りなのに、もうほつれてる!!すぐに直して!」


「はい、お嬢様、承知しました」


「本当に、お前は私達に感謝をしなさい。Ωのお前がこうやって衣食住不自由なく、暮らせているのは誰のお陰??」


「それは、ご主人様とお嬢様でございます」


「そうよ、分かれば宜しい、部屋に戻りなさい」


「はい(深いお辞儀)」


この家の女主人事、ヘナバ・マージェン夫人とその娘、バハナ・マージェン。2人は僕の事を奴隷の様に扱い、2人の執事やメイドも僕を奴隷の様に扱ってくる。

アイツらは、約4年前の8歳の僕を誘拐した後、僕がΩだと知るや否や、僕を奴隷の様に扱い、僕に高度な認識阻害魔法を掛けた事で、周りからは黒髪黒目、人間にしか見えないが、僕は金髪碧眼の獣人とエルフのハーフなのだ。

顔立ちはあまり変わっていなく、母曰く僕の顔は可愛いと綺麗が混ざり、女顔で二重に長いまつ毛、美少女みたいな顔立ちらしい。

因みに、アイツらは僕に記憶操作魔法を掛けたらしいが、それは効いていない。だって、そーゆう系の魔法は効かない様になっている。


そして、Ωと言うのはこの世界に存在する第2の性であり、Ωの他にαやβが存在し、αは希少でΩよりは数が多いが結構少なく、ハイスペックであり、Ωと番になれる。βは一般的と言うか、殆どの人がβである。Ωは男女関係なく妊娠が出来、10代半ばから3ヶ月に一度ヒート(発情期)が来る。

僕は男として生まれてきたが、Ωなので魔力が多く性転換体質を持っている。


何て、考えていたら屋根裏部屋である僕の部屋に到着した。この屋敷での僕の空間がここしかないんだ。


ガチャ


「ふぅ、よし、今日は久々に森に行って、あれを作るか、」


今日の予定を考えながら、さっき頼まれたドレスの修復をする。


そう言えば、気になっている人も居ると思うが、何故僕はこんなに変に言葉遣いがしっかりしているか、気になった人も居るが、それはまた、今度。


「はぁ、僕の親って、俺の事探してるんだろうか」

「探してくれてたら、嬉しいなぁ〜」

「まっ、探してくれてたら、とっくに迎えに来てくれてるか笑」


何て考えながら魔法でドレスを修復し終え、鞄を手に持ち、あの女の部屋にドレスを置いて、厨房に行く。


「(よし、忙しくしてるから、見られてないな、、、)」


料理人達に気付かれない様に、魔法で冷蔵庫から野菜やお肉や卵、海鮮を浮かしてバレない様に出して、鞄に入れて、急いで部屋に戻る。


「よぉし、えぇっと、ここに入れてるんだよねぇ、、んんっと、、うわぁ、、、、」


ガタンッ


屋根裏部屋の天井に少し届かないので、小型椅子に立って、置いてある僕と同じぐらいの等身の服を着た人形を勢い良く、取ったと思えばバランスを崩して、床に着く前に魔法で体を浮かしたが椅子が倒れる音が部屋に響いた。


「ふぅ、あっぶねぇ〜、笑」

「それじゃあ、人形に魔力詰めて五感、感覚共有、自立魔法と変化魔法をかければ、」


ボンッ フワフワ〜


目の前に僕そっくりの見た目になった。人形の顔を触ると、目を開けて起きたかの様に、こちらを見て、僕と同じ声を出した。


「パチッ おはようございます」


「よし、じゃ、午後9時までには帰るから、それまでこの屋敷での奉仕お願いね〜」


「かしこまりました」


そう言って、僕は透明魔法と浮遊魔法を使い、窓から外に出て、森の中に入り、ポツンとある小屋の前に降り立って、中に入る。


ガチャ


「ふぅ〜、ただいま〜、1週間ぶりだな〜、何作ろ、」

「ぁ、ちょっと埃被ってるな〜、少し掃除しとかなきゃ」


中に入れば、左側にはベットと机に椅子、右側にはコンロやシンク、炊飯器やフライパンや鍋、包丁やまな板、菜箸やお玉などのがあったり、食器類が纏まって置いてある。その隣にはお米が入った箱が置いてある。


1年半前までは僕に監視が付いていたが、やっと屋敷の外から出られる様になって見つけた小屋。僕なりに屋敷内で使われなくなった物などを修復魔法で直して、此処で使っている。


「よし、今日は和食尽にするか、あの屋敷だと硬いパンとスープしか出ねえ〜し、」


何て言いながら、鞄から色々出して、キッチン立つ。


「えぇと、味噌と鰹節とマヨネーズ、塩に豆腐、ワカメにキノコと厚揚げ、醤油とニンニクチューブかな、今の所、よし」


ピピッ カキンッ


何て呟きやきながら、目の前に出ている画面を操作しながら、言葉に出た食べ物を買う。すると目の前に大きな段ボールが1つ出て来た。

これは僕の固有魔法の1つである、ネットショッピングと言う魔法を持っており、現代の地球物資をこの世界の資金を入れる、チャージする事で購入し、僕の目の前に召喚出来る。色々な食材から服や靴下、タオルやティッシュなどの日用品から、キャンプグッズなどもある。季節ごとに商品が変わったりする。

それに似た、ネットワークと言う魔法を持っていて、現代の地球のネットが繋がり、SNSや動画アプリなどが見る事が出来る。

そしてこの魔法らは転生特典で貰った物だ。


そう、僕は前世の記憶を持っている、所謂転生者である。


ビリビリビリ


「まずはご飯炊くか(ザルに1号分のお米を入れて、シンクに向かう)」


前世の記憶は生まれた時から持っている訳ではない。思い出したのは誘拐されて半年が経った頃だ。記憶が思い出したからか、転生特典の魔法を使う事が出来る様になった。

前世は普通の高校生で両親と兄弟を早くに亡くして、祖父母に育てられたが、祖父母も亡くなり、1人で生活していたが、気づいたら通り魔に刺されて死んでしまった。

神様の配慮で僕はこの世界に転生させて貰った。


ピッ (炊飯器のスイッチを入れる


「次は唐揚げの下準備〜(既に切られてる鶏肉に醤油やニンニクチューブなどを入れる)」

「その前に、お味噌汁作っとかなきゃ〜」


記憶を思い出してからは、魔力が王族並みに多い事を良い事に色んな魔法、基本魔法から生活魔法、無属性魔法の全てを習得し、固有魔法もトップレベルに扱える様になった。

今世での家族はとても大好きだ。何処か、前世の家族に似ているからだ。

会いたいなって思える。僕はいざとなったら、屋敷から出られるが、何故出ないかと言うと、料理が出来るからだ。もしかしたら、家に戻れば、料理出来なくなるかもしれない。

僕は料理がとても大好きで、この世界は和食や中華、洋食がないが、それ以外の料理はある。だが、濃すぎる。美味しいが日本人だからか、和食が口に合ったりする。

だから、月に何日間かは此処に来て料理の腕の鈍らせない様にして、和食や洋食などを作り、僕の癒し時間を作る。料理を作るためなら、僕は魔法だって上達させるぐらいの覚悟はある。 


「よし、完成。では、いただきます」


気付けば、料理は完成していた。味噌汁を口にしながら、前世を懐かしいと思う。

家族に会いたいし、会えば多分あの人達の事だから、過保護になるだろう。そしたら、もしかしたらみんな僕の気持ちを聞いてくれるかもしれない。だから、料理も出来るかもしれないしね。


パクッ ザクッッ


「美味っ!やっぱ、ニンニク入れると一段と違うわ笑!次は塩味作るかぁ〜」


パクッ ふわっ


「んっ!今日の卵焼きの出来は良い感じじゃない!?、フワフワに出来て良かった〜」


何て、1人で楽しく食べていると、眠気が襲って来た。最近はあの夢のせいであまり寝れてないからなぁ、何て思いながら、ご飯の途中だが、料理に保存魔法をかけて、結界を張って、ベットに眠る。ここで眠る事が僕の楽しみの1つだ。

ベットで倒れ込む様に仰向けで寝るとすぐに目を閉じて気付けば寝ていた。


ドサッ


「(20時ぐらいに起きるかぁ、ではおやすみ〜)」


そう思いながら、目を閉じて眠った。










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