第91話
「こうされると、落ち着きませんか…?」
「……、」
「あたしはよく母にされてました。頭って、撫でられると不思議と安心するんです」
「……っ知ってるよ、そんくらい。リュウのバカが頼みもしないのによくやってくるから…!」
「あ、そうですね。リュウくんはよく頭を撫でてくれますよね」
「だからっ、俺は!早くアイツより大きくなって、アイツを見下ろしながら、あの無駄にセットしてるうざったらしい髪をぐちゃぐちゃにしてやるのが目標なんだ」
「…そうですか」
「なんで笑うんだよ!」
「いえ、素敵な目標ですね」
「だからなんで笑うんだよっ!!」
顔を上げたコノエくんから、必然的に手が離れる。
ようやく目が合い、あたしはその顔にも笑ってしまう。
「コノエくん、顔が赤いですよ」
「っ!、嘘言うな!!そんなの!暗くて見えないだろ!!」
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