第44話

特に喉は乾いていないのだけれど、受け取った手前、ソレを断れない。


ミクさんの後ろの方を見ると、ごくり、と生唾を呑んでこちらを見ている丸岡さん達と目が合った。



そして、その後ろのソファを壁にするようにしてしゃがみこんでいるのはリュウくんとトラくんだ。



伊吹は相変わらず抑えられている。


抵抗はせずに、じ、とこちらを呆れた様子で見ていた。


コノエくんはといえば、強面さん達を壁にするようにして、一番後ろに立っている。



瓶を開け、恐る恐る口をつける。


ごく、とあたしの喉を甘い炭酸が通っていくと同時に、ミクさんもごく、と喉を鳴らしていた。





な、ななななんでこんなに見られているの…!?



みんなして、あまりにもじっとこちらを見つめてくるので、あたしは思わず恥ずかしくなって、一気にそれを喉に通した。




から、



「ごほっ、ごほごほっ!」



噎せてしまった。





「うわ、オサゲちゃん大丈夫!?」



「あーあ、ミクたんが急かすから」



トラくんとリュウくんが向こうの方で何かを言っている。

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