第36話

「さて。ミドー。例の物は買って来た?」



「あー買って来たけど…」



「よろしい」



「なぁ、トラ。今からなにすんだよ?」



「まあまあコノエちゃん。そんな焦らなーいの」



「リュウには聞いてない。アッチ行け」



「キャ!反抗期!」




ざわざわとした体育館内で、御堂さんから袋を受け取り、トラくんはその中を確認しながら「ふんふん」と頷いている。


伊吹はその様子を、「嫌な予感しかしないんだけど」と眉を顰めて見ていた。






「オイ!テメェら離せ!!」



「だって頼まれたんスよ!逃がさないようにって」



「丸岡!てンめェ!覚えとけよ!!」



強面さん達に腕を押さえられているミクさんは何やらギャンギャンと吠えている。




「ねえねえ、トラりん。これってもしもの時のために、スイとか呼んどいた方がいいんじゃないの?」



「だいじょーぶだいじょーぶ、軽めのならミクでも止められるって」

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