第34話

「オサゲちゃん、こっちこっち」



ちょいちょい、と手招きをするトラくんに、あたしは首を傾げ、伊吹は眉根を寄せる。


立ち上がって、「どうしたんですか?」と、そちらに駆け寄れば、




「今から体育館行こうよ体育館」



「体育館ですか?」



「うん。ちょっと実験したいんだよねー」



「なんの実験ですか」



「え、伊吹くんも来るの?」



「なんですかその顔は。俺が来たら何かマズいんですか」



「いやー、そういうわけじゃないけどー…」




引き攣った笑みを浮かべ、頬を掻く彼に、伊吹はじと、と不審そうな目を向けていた、



時。




「ミクたんの罰ゲームがはーじまるよー!見たいヤツらは体育館へ急げー!!」



うきうきした様子でリュウくんが廊下へとミクさんを引き摺って行った。



「なっ、やめろ!引き摺んな!!シャツ伸びるだろーが!っおいリュウ!離せ!!」

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