第33話

その先には、笑いながらミクさんの何かを話しているリュウくんがいる。




普通にする。


それはあたしがやるべき事なんだ。




けど、もどかしい。


何もしないのが、出来ないのが、酷くもどかしい。




だって、きっと、リュウくんは悩んでる。



月曜日から少し元気がないのだ。


いつものように向けられる笑顔だって、その奥で、小さく泣いているような気がするし、


何かを思い返すように、たまに遠くを見て、リュウくんは悲しそうな顔をする。




あたしに何か出来ることがあれば、いつだって、力になるのに…、


なれないのが、それを求められてないのが、



少し、悔しくて、


やっぱりあたしは、まだまだ力不足なのだと思い知らされる。






「さぁーて!移動しますか!!」



明るいトラくんの声が聞こえた。


は、としてそちらを見れば、にんまり笑顔のトラくんと目があった。

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