第17話

あたしより、少し高いくらいの身長をしたその子はじろり、と。


そのアーモンドのような形をした眼を、あたしに向かって舐めるように動かした。


その瞳はカラーコンタクトだろうか。髪色と同じように。


夕陽のようなオレンジ色。




「へえ、でもいがぁい、すっごくいがぁーい!小野町クンって、もっと擦れた子連れてるイメージだったよ~」



まるでステップでも踏むかのようにこちらへと歩み寄ってくる彼女に、あたしは、思わず肩を揺らす。



「へえ、」と珍しいものを見るかのような目つきで、あたしを足から頭まで往復するように見ると、あたしに向かってにっこりと笑う。


そして、彼女はすぐに表情を変え、首を「あれ?」と傾げた。





「顔、怪我してるんだね?大丈夫?」




そろり、と。


白い手をこちらに伸ばして、あたしのガーゼのついた頬に触れようとする。




爪には真っ赤なネイル。



その白い手に恐ろしいほど似合っている赤いネイルに、思わず視線が行く。

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