第95話
優の服や教科書で埋まっていた部屋も、
美嘉の服や好きなキャラクターのぬいぐるみで埋まってゆく。
二人で大学へ行き、
先に授業を終えて帰って来たほうが夕飯を作り相手を待つ。
それが二人で決めた約束だ。
いつしか優の部屋は次第にサークルメンバーのたまり場になり、
帰って来ると必ず誰かが部屋にいてゲームをしたり雑談したりしていた
いつもは人がたまってわいわいうるさい部屋も夜になれば二人きりになり
優の足の上にちょこんと乗りながらテレビを見るのが大好きだった。
もう一つ、
布団に入って手を繋ぎながら眠る…
この瞬間も大好き。
たまに実家に帰って布団で寝ようとしても、
なかなか寝れなくなってしまって…
だって優と手を繋いで寝ることが、
美嘉にとって眠り薬になっていたから。
今年も夏が終わる。
秋は驚くほどあっという間に通り過ぎ、
今年もあの季節がやって来た。
白くて冷たい結晶がちらちらと空から舞い落ち、
手で掴めばすぐに消えてしまう…。
12月。
冬がやって来た。
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