第85話
アヤに何か言葉をかけてあげたいけど、
いい言葉が思いつかない…。
アヤは美嘉が持っていたテントの片側を持ちながら再び口を開いた。
「今日の朝ミドリさんと話したんだぁ。あ、あたしが美嘉の携帯勝手に見ちゃったこともちゃんと説明しておいたから!ミドリさんとケンちゃん付き合うんだって!」
「そっか…」
あの二人、
付き合うんだ。
朝食時の二人の姿を思い出すと、
再び怒りが込み上げる。
これからはケンちゃんじゃなくケンでいいや。
あんな男呼び捨てにしてやる!!
「あたしはもういいの。ケンちゃんのことは諦める!両想いには勝てないし、新しい恋するんだぁ♪だから気にしなくていいからね!」
アヤが強がっているのはわかってるよ。
好きな人に彼女が出来ても
そう簡単に諦められるわけないもん。
でも
強がらないとアヤ自信が崩れちゃうから…
よく頑張ったねって…
辛かったねって言ってあげたいけど、
アヤのプライドがあるから言わない。
アヤは強いよ。
美嘉なんかよりずっと強いよ。
「無理はしないでね」
一瞬気を緩めたのか悲しい顔をするアヤ。
でもすぐにいつもの笑顔に戻り、
大きく頷いた。
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