第80話

やっぱり優が言う

“用意してない”は


ウタがくれたアレ…


“ゴムがない”

を意味してたんだ。




「えへへぇ~ちょっとねぇ~♪」



少し照れながら鼻の下を手でこすり、

優に抱きついた。




「エッチやな!」



いじわるな顔で笑い、

抱きついた美嘉の髪をくしゃくしゃ撫でる優。



「もぉ~。ムードないし~!!」



口をプクッと膨らませながら怒る美嘉を、


優はやさしい目で

見ていた。




「ごめんな。怒らんといて!」



「フンだ!!優のバー…」



再び言葉を遮り優は美嘉の頭を引き寄せ強引にキスをし、

すぐに離し美嘉のほっぺをつねった。




「で、…その続きはなんやねん?」



「いじわるっっ」





優は上着を脱ぎ

それを砂浜に敷いてその上に美嘉の体を倒す。




「さっき砂の上に寝かせてごめんな」



一つ一つの気遣いに、

優が自分より大人であることを実感する。






満天の星空の下。


初めての場所。



二人が出会った場所。





重なった最高のシチュエーションが


きっと二人を

大胆にしたんだ。

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