第55話

「みんなスタイルいいしっ!!美嘉なんてこんなにやばいしっ!!」


そう言ってお腹の肉をむにっと掴んでみせた。



「い~やっ!!!!!!ウタのほうがすごぃよ♪ほらほらぁ!!!!」


ウタが対抗してさらに強くお腹の肉を掴む。




テントの中には四人の笑い声が響いた。





「お嬢さん達~俺ら海行くけどど~する?」


外から聞こえるのは

ケンちゃんと優の声。




その近くで聞こえる笑い声はおそらくヤマトとシンタロウだろう。




「今行く~!」



アヤが代表して叫び、

テントから飛び出て海に向かって走った。




優に水着姿を見られるのが恥ずかしくて、

そのまま海に飛び込んだ


だって水着姿なんて一年ぶりだもん。



もう裸も見られてるくせに純情ぶるなぁ!!

って感じだけど。


裸を見られるのと水着を見られるのはちょっと違う感覚。




海に飛び込むって言っても泳げないから、

フトモモくらいの深さのところにしか行けないのが悲しい…。




みんなも走って来て

次々に海に飛び込んだ。


水しぶきが太陽に当たってじりじりした肌に心地良く染み渡る。




…あれ

優がいない。






少し寂しい気持ちで

水平線を見ていた。

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