第19話

ケンちゃんはテーブルに肘をつけて少し悩んだ様子で、

目線を地面へと移動した



「いやぁ~…俺わからねぇなぁ…」




声が裏返っている。

それは明らかに何かを隠している証拠。




“優は過去にどんな恋愛してきたの??”



優の過去の恋愛なんて

最初は軽い気持ちで聞いただけ。



今日ケンちゃんと二人で話す機会がなかったらおそらくずっと聞くことはなかっただろうし。



でも今は違う。

ケンちゃんの焦りようを見て、

どうしても知りたくなった。



ってか聞かないとスッキリしないし!!




「絶対言わないから、教えて!!」


興奮して両手をテーブルに叩きつけて立ち上がる美嘉。




「でも…」



「お願いします!!ケン様この通り!!」



両手をくっつけながら頭を下げる。

この熱意は伝わるのか…




「わ…わかったから座わって。そのかわり優には言うなよ?」



美嘉はその言葉に腰を降ろし、

声を出さずに何度もうなずいた。




ケンちゃんは周りをキョロキョロと見渡し人がいないことを確認すると、

カバンにはいってるペットボトルのジュースを一口飲んで話し始めた。

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