第16話

「どもぉ~ウタでぇっす♪ポエムの詩と書いてウタって言いま~ぁす!!!よろしくなりぃ♪♪♪」



シンタロウやその他の部員はア然とし、

部室は沈黙に包まれる。



沈黙の中。

優がプッと吹き出した。



「おもろい子が入って来たなぁ~!楽しくなりそうやな。この紙に名前と学部書いてや!」



優の言葉をきっかけに、雰囲気が明るく変わる。



ウタは紙に名前と学部を書き、

顔をくしゃくしゃにして笑った。



「いんやぁ~ここのサークルイケメン多いだっちゃねぇぇぇ♪♪」





わざと優の腕を組み、

自慢げに言う美嘉。



「この人はダメだも~ん!!美嘉のダーリンだから♪♪」



なんとなく…

ウタにだったらこんな冗談も通じる気がしたんだ。




その予想は大当たり。

ウタは美嘉の頭を両手のげんこつでぐりぐりする。



「くっそ~!!!!!!マジかよぉ!!!超ガッカリぃ!!でも別にいいのだぁ♪」



そして頬を赤らめながら左手を前に差し出した。



左手の薬指にはキラリと光るシルバーの指輪。





「ウタには大好きなダーリンがいるのだ♪♪♪」




とてもとても幸せそうな顔で笑っていた。

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