第十六章⌚過去⌚

第1話

明日は

大学の入学式。



今日は優とケンちゃんとアヤに、

一人暮らしをする部屋への引越しを手伝ってもらっていた。




「美嘉~テレビここでええの?」



「あっ、窓側に置いておいてぇ~♪♪」




家電などの重いものは優とケンちゃんが運び、

雑貨などの軽いものは美嘉とアヤが車から運び出す




とりあえずだいたいの荷物を部屋に運び終えた。


後はダンボールから荷物を出し整理するだけ…。

それは焦らず、

ゆっくりやろうっと!!




一先ず落ち着き、

ダンボールに囲まれた部屋でくつろいでいると

ケンちゃんが近くにあった卒業アルバムを手に取った。




「これって卒アル?見せて見せて~」




「俺も見たい!」



隣にいた優も覗き込む。




「あたしの写真見ないでよね!」



「美嘉のもダメ~!!」


アヤと美嘉も一緒になって卒業アルバムを覗き込んだ。


ページをぺらぺらとめくるケンちゃん。



そして開いたのは

例のページ。



美嘉とヒロとノゾムとアヤが四人でうつっている写真が載っている

あのページ。



美嘉とアヤは目を合わせ、

そしておそらく心の中で同じことを祈っていた。






“何も突っ込まれませんように…“

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