第82話

玄関で靴を履きかえ

目をこすりながら教室に入る。




「おっは♪」



…アヤだ。




「おはよ~グルト♪♪」



…ノゾムも一緒か。




そういえばノゾムとアヤは付き合ってたんだ。



いろいろありすぎて

忘れてた。



遊び人のノゾムだけど

アヤとは続いているみたい



喧嘩はよくしてるけど、なんだかんだで仲良し。



この二人は妊娠のことなど知るはずもない…。




「美嘉~具合大丈夫?」



「風邪でずっと休んでたみたいだもんな。ヒロも学校来てなかったぞ!」



二人に心配をかけないために、

カバンを振り回しながら答える美嘉。




「もう風邪治ったし元気だよ~ん!!」



「それなら良かったぁ~♪もーすぐクリスマスだね!美嘉予定は?!」




アヤの問いに忘れかけていたクリスマスが近いことを思い出した。




「どうせあれだろ、ヒロとラブラブだろ~!」



ニヤニヤしながら

冷やかすノゾム。



アヤは美嘉の返事を待たずに話し続ける。



「プレゼント買った?」



「えっ、まだ何も…」



「やっぱヒロとラブラブかよ~ちきしょうめ~」



「あんたにはあたしがいるでしょ!」




アヤはノゾムに

蹴りをいれた。

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