第50話

「ふざけんな!」



バキッ…



鈍い音をたてヒロの拳がタツヤの頬に直撃。



タツヤは少しフラついたがすぐに態勢を戻し

ヒロの頬を殴り返しながら叫んだ。




「美嘉はお前の元カノに嫌がらせされて傷ついてんだよ。悩んで死のうとしたんだよ。お前がちゃんと別れなかったからだろ!」




キーンコーンカーンコーン



タイミングよく

チャイムが鳴る。



ヒロは床に唾を吐き、

タツヤを睨みながら教室を出て行った。



ヒロがいなくなったのを確認して

タツヤの所に駆け寄る。




「大丈夫?!ごめん…」



タツヤは頬を手でおさえながらニカッと笑った。




「余裕だから!」





その後の授業中

ヒロからメールが届いた


《サッキノハナシマジ?》




送った返事は一言。



《ウン》



メールは続けて来る。



《イヤガラセサレテンノ?》



返事をしなかった。

説明するのが面倒…。




授業が終わってPHSを見たら、

返信していないはずなのにヒロからメールが届いている。




《カエリハナソウ》




しかし、

この日の帰りにヒロと話すことはできなかった。



なぜなら今日の喧嘩が先生の耳に入り、

二人は一週間の停学…。

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