第46話
ヒロや学校の友達には、風邪を引いてしまってしばらく休むと嘘をついた
入院中も、
ヒロの元カノからのメールや電話が途絶えることはない。
電源を切っても、
電話の着信音が聞こえる気がする。
元カノから聞いたヒロとの思い出話が
想像となって頭の中を駆け巡っている。
そんな状況の中で胃の痛みが治るはずもなく、
入院は思っていたよりも長引いた。
辛くて辛くて…
どうしようもない。
楽になりたい。
親が病室から出て行くのを確認し
近くにあった果物ナイフを手に取った。
楽になりたい。
楽になりたいよ。
ナイフを手首に当て、
切り始めた時…
「…何やってんの!」
偶然お見舞いに来マナミがベッドに駆け寄り、
ナイフを強く床に投げつけた。
「美嘉が死んだら悲しむ人はたくさんいるよ?あたしも美嘉が死んだら悲しくて生きてけないよ」
マナミは美嘉の体を抱きしめて
一緒に泣いてくれた。
手首の傷は浅く
コンビニで買ってきてくれた消毒液と包帯をてくれ手当てをするマナミ。
「傷、これで隠しなよ。もう二度とするんじゃないよ!」
そう言って手渡してくれたのは、
白いリストバンドだ。
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