第22話
ヒロは初めての美嘉を
優しく抱いてくれた。
気持ちが通じ合ったのかと錯覚してしまうくらいに…。
一つになる時、
痛くて怖くて泣きそうになっている美嘉の手を
ずっと握りしめていてくれたよね。
「怖くねぇから…嫌だったら言えよ?ちゃんと止めっから」
ヒロの声と優しい目が
安心をくれた。
“好きだよ”
そう言ってくれてる
気がしたんだ。
少しは近付けたかな…。
腕枕で寝ながら
思い出していた。
初めて触れた男の人の体はとても大きくて
ヒロの体温はとても温かく心地良かった…
ヒロと一つになれてねすごく嬉しかった。
後悔なんてしてない。
だけど…
だけど…
一つになった時違う女の人の名前を呼んだこと。
気のせいだよね?
聞き間違いだよね…??
♪プルルルルル♪
ヒロのPHSの着信音が
鳴った。
「出ていいか?」
申し訳なさそうに言うヒロに
腕枕から降りて頷いた。
『咲?』
……咲
さっきヒロが
間違えて呼んだ名前。
その名前は実在した。
高まる不安。
気のせいじゃ
なかったんだ…。
『俺?いや。おぉー咲は?そっか。じゃあまた』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます