第3話

いつものように

美嘉とアヤとユカの三人は

もくもくとお弁当を食べていた。




食事の時って無言になるのはなぜだろう。




その時教室のドアがガラガラと音をたてて開き、


それと同時にポケットに手を入れた一人の男が三人のもとへと

近づいて来た。



その男は三人の前に立ち止まり、

軽い口調で話し始める。



「こんちわ~!俺の名前はノゾム。隣のクラスなんだけど~知ってる?」




目を合わせる三人


しかしそのまま知らんぷりをして

お弁当を食べ続ける。






高校に入学してからノゾムの噂をたくさん聞いた。


女ったらし。


手が早い。


遊び人。



ノゾムは毎日のように違う女を連れて

校内を歩いている。



“ノゾムに気をつけろ!”


“ノゾムに狙われた女は逃げられない”



そんな話を聞いたこともあったっけ…。




高めの身長に

整った顔。



メッシュが入って

ワックスで無造作にセットされている髪。


何かを見透かすようにじっとみつめる瞳。



モテる要素を持っているのは確かだ。



問題は性格。

この軽い性格はどうにかならないものか…。





そこまで悪い噂を聞いていながら関わるつもりなどもちろんない。

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