閑話 世界の話
この街ハンノーは、城主テンランの元、西に雄大な山々を讃え、南に巨大な河川が流れる交通の要所として発展した城下町である。
歴史的に見れば、農耕を主な産業とし、水田と田畑の入り混じる広陵な土地であったが、100年ほど前魔法力と異なるエネルギー「エレクトリカ」鉱石の発掘により、街には街灯が光を灯し始めた。
人々はその恩恵を最大限に享受し、世界の各地は、このエレクトリカを中心に大都市を形成した。
しかし、それを良しとしなかった一部の勢力は、既得権益である魔法を使い、エレクトリカを自然の摂理に反したものとして蜂起した。
この戦いは約50年前に終わりを迎え、今では子の世代が魔法とエレクトリカを用途によって使い分けられるほど文明がすすんだ。
だが、世代の残した爪痕大きく、世界には動物とは理を違える"マモノ"と言う存在が次第に跋扈するようになった。
マモノはエレクトリカを使用した際にでる、微量の残滓を目掛けて人々に襲いかかった。
一説によれば、魔法使いの過激派が、エレクトリカを利用する人間が危険であるとでっち上げる為に召喚したとする説があるが、今ではマモノは独自の体系で増える人間、動物と異なる種であるとされている。
マモノの繁栄に伴い、人は城壁を形成。
都市ごとに区画を作る事で、人々を保護してきた。
また、マモノに対抗する為の組織も、最初こそ傭兵や冒険者と言った稼業が担ったが、法が整備されるにつれて警備業へと変遷していった。
1号警備、主に施設等の守衛にあたり、2号が交通守衛、3号が都市間運搬、4号が身辺警護と割り当てられ。
それぞれの業務危険度に応じて、3級から1級が割り当てられる。
主人公は、この1号警備2級。大都市ハンノーのしがない門番である。
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