セルフ◯ェラの為に鍛えたんです…

はなまる

はじまり

人生の分岐点を覚えているだろうか。

小学生の頃に聞いた曲だっただろうか。

青春時代に出会った相手だっただろうか。

あるいは何かのスポーツや、あるいは何かの勉学だっただろうか。


私にとっては今だった。

24時間シフト制の門番を交代し、惰眠を3時間ほど貪った昼下がり。

ベッドに横たわり、天井を見上げながら、だらしなく膨れた腹を撫でつつ思ったのだ。


(セルフ◯ェラしてみてぇな…)


と。


女性に縁はなく、30を過ぎて拗らせた男は、ふと思い立った、限りなくアホくさい理由からダイエットを決意し、ベッドから立ち上がるまで1時間を要して開けた、郵便の中からジム入会の資料を探し出したのだった。

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