今日も柴原くんは、かっこいい
夜空らむね
第1話 カフェと推し
「おっ! 新作出てる」
写真投稿SNSを見ながら、わたしは呟いた。
お気に入りカフェの甘め系ドリンクの新作だ。
しかもわたしの好きなお芋。
手帳で早めに仕事が終わる日を確認する。
水曜日が4時半か。
仕事は接客をやっているといっても、スーパーのレジ打ちだけど。
明日を乗り越えれば、あのカフェに行ける。
新作が飲めると思うと、仕事も幾分捗ったし、お客さんに果物の箱をつぶしてくれとたの頼まれ、いつもはイラっと内心するものの今日は穏やかだった。
お芋の新作を注文して、カウンター前に並ぶ。
いつもの店員さんが今日はいないのかとガッカリしていると、休憩から上がったのかさっきまだいた明るめの髪の女の子と交代した。
柴原くん。今日もかっこいい。
しゅっとした顔にくるくるのパーマ。
わたしは、ここに来ている1番の理由だったりする。
低収入でソロ活が趣味だけれど、ここに来て新作甘め系ドリンクを飲むのが唯一の楽しみだったりする。
「何回か飲んだことありますか?」
ドリンクを手渡されるときに、彼は聞いた。
いつもやりとりするお決まりの言葉。
「いえ、今日がはじめてで」
「お芋感がすごくあって美味しいですよ。
お楽しみください」
彼から発せられるイケボ。
これもたまらなくいい。
柴原くんが見える位置に座り、読書をしながらさりげなく見るのがすきだったりする。
お芋感があって秋と恋の味がした。
次来るのは来月かぁ。
それまでお預けだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます