@wanwanwan123

第1話 家族旅行

車の中はみんなの話し声 と 笑い声で賑やかだった。

お父さんと お母さん 妹2人と 弟1人 そして私の 6人の家族旅行。

夏休みは最高だ!と嬉しく思った。

温泉ホテルの前に、動物園に出向いた。 夏休みということもあってすごく混雑している中 私達は 動物たちを見て 回った。

「まりこ、 お母さんとお父さん向こうのベンチで少し休んでいるから 、みんなのこと少し見ていてね。 迷子になったら大変だから」と、 2人は 木陰のベンチに 歩いて行った。

私は、みんなを猿山に 誘った。 ここからだと ベンチに座っている2人も、 私たちのことが 見えるし安心だと思った。 「あのお猿さん、真美に似てる!」「やだぁ!似てないよ!」「あっ、あのお猿さんは、真理に似てるよ!見てみな!」

また、 いつもの喧嘩が始まった。 毎度のことだけど こうなると2人はエスカレートするばかりだ。「2人とも!止めなさいよ!」「喧嘩じゃないもんっ!本当に似てるから」

「似てないよーだぁっ!」止まらない2人。 そんな やり取りを見ていると暑さが増してくる。「 真司どう思う?」と、 私は真司に声をかけた。

ええっ!居ない?!やばい!どうしよう! 即座に ベンチの方を見てもお父さんとお母さんしかいない。 どうしよう どこに行っちゃったんだろう。見るように言われたのに、お、お母さんに、こ、殺されるっ……「真司っーーー!」そのデカ声で 妹たちの喧嘩は、 ピタリと止んだ。馬鹿! あん達のせいだ!



真司は、 迷子のアナウンスを流してもらい、 1時間もしないうちに見つけることができた。真司の腕と足には、擦りむいた跡があり 泣いていた。


夕方、予約していたホテルに到着した。 皆は相変わらず 楽しそうにしている。私も 皆に合わせて楽しい素振りを見せた。


夜になり、私はお風呂に入りに行った。温泉は広く吹き抜けの浴室には、灯りがあちらこちらと色気を帯びている。そして湯気は立ち上ぼり、滝が流れその打ちつける音は情緒が増していた。

これから部屋に戻れば、私の綺麗に洗った体は、お母さんに打ちつけられるんだ。勝手に迷子になったのは真司なのに!すでに、下着は不必要だと言われ、浴衣の下は何も着ていなかった。 妹や弟に見られながら私は泣き姿をさらけ出すことになるだろう。それは避けることができない事だ。


部屋に戻ると、お父さんは「じゃあ風呂に行ってくるかな、1時間したら戻る」と、お母さんの方を見ながら言い部屋のドアを閉めた。その背中を見ながら私は、「行かないで助けて」と言いたいのをグッと堪えた。

「まりこ、罰を貰う用意なさい」

「はっはい、お母さん」私は、浴衣を腰まで捲りあげて、お母さんの目の前に尻を躊躇せず向けた。もたつくと加算される罰の決まり。他にもまだあるけど。お父さんは、お母さんの言いなり。何でも決めるのは、お母さん。お父さんの1時間の風呂も、お母さんの指示なのは明確だった。

「あなたの目配り不足で、迷子にさせた罰を与えます」と、いよいよ開始される。3人は、横にチョコンと座って私の顔を笑いながら覗き込んでいる。私からしたら、それは小悪魔の顔だった。恥ずかしくて、目をそらすしかない。「見ないでよ、あっちに行ってよ!早くっ!」

「お姉ちゃん、頑張れっ!」と真司だけは離れたが、妹2人は動かなかった。

なかなか、尻打ちされない何故だろう、罰を受ける姿勢は、お母さんが「終わり」と言うまで、このままだ。浴衣を捲り両手で掴んだまま腰を曲げ尻を向けている、この姿のまま何もされない事に、恥ずかしが込み上げる。声を出すのも許されない決まりだから、じっと罰を待つしかなかった。

20分たつ頃

「まりこ、両足を肩幅に広げなさい」

はっ?何で?と思いながら従った。

お母さんが、私の前に来てタオルを噛むように指示してきた。

「まりこ、真司を不安にさせて、泣かすなんて、ひどい姉!きちんと後悔させてあげます。タオル落としたら、お父さんにもやってもらいますよ」

そう言うと、お母さんは両足を椅子に縛りつけた。両手は後ろに浴衣と一緒に縛りつけた。余っていた帯で縛るなんて、厳しすぎる。「まりこの、お尻を見ながら考えていたのよ、きつい罰は何か?恥ずかし体験が必要かもしれないとね」

そして事もあろうか妹2人が、私の前に立ち、手には動物園の売店で買った定規を持っている。それを見せびらかした後、2人は私の後ろに移動した。股の間を下から上に物差しで叩かれた。「お姉ちゃんペンペンね」「ちがうっ、ペチペチだよ」そんなの、どちらでも良い…タオルなんていらない、痛くない。縛る必要すら無かったのにね、お母さん失敗ですよ。勿論痛い素振りはできる限り見せるけど。恥ずかしさも無くなっていた。それより痛みがない事に安心していた。良かった。


私は甘すぎた。お母さんには私の芝居なんか全て、お見通しであった。

お母さんは、お父さんと携帯で話をしていた。まだ、部屋には戻らないでね。と……


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