「箱根」違い

@noritaka1103

第1話 ここじゃない!

サラリーマンの彼は仕事帰りに箱根の温泉に行こうと思い立ち、乗り換え検索のアプリを使って「箱根」と検索し、一番上に表示された駅を選択する。


「ここから意外と箱根って近いんだな!これならすぐに着きそうだ。」


いろいろ乗り継いで…

「まもなく、箱根ヶ崎~箱根ヶ崎~お出口右側です~」

「おっ!ようやく今回の目的地・箱根か。温泉楽しみ~」

まだこの時、彼は気づいていない。ここが神奈川県箱根町にある「箱根湯本駅」ではなく、東京都瑞穂町の「箱根ヶ崎駅」という別の駅に来てしまったということに。


「今日は、空いているのかな?なんか得した気分!ラッキー!」

箱根ヶ崎駅のロータリーに降り立っても、未だに彼は「箱根」違いに気づいていない。


「温泉街の方に行くバスとか無いのかな?しょうがない、タクシー使って直接向かうか!」


「……お、お客様?大変申し上げにくいのですが、たぶん場所を間違えています。確かに瑞穂町周辺にもはありますが、お客様の仰っているというのはここにはありませんね…」

タクシーの運転手さんの指摘で、彼はようやく降りるべき駅を間違えていたことに気づく。

「え!?ここ、の最寄り駅じゃないの!?違うの!?だって駅名にって付いてんじゃん!」


ちなみに現在の時刻は午後6時30分。

ここ箱根ヶ崎駅から神奈川県の箱根湯本駅まではルートにもよるが、だいたい2時間半~3時間くらいは掛かる。本来の「箱根」到着は急いでも午後9時30分は過ぎるのはほぼ確実。


「今から向かって、箱根に行って温泉入って、家に帰るのは時間的に無理だ…間に合わない!」

駅を間違えてしまったことで、彼は仕方なくタクシー運転手さんオススメの瑞穂町周辺の温泉に入ることにして、家路についた。



〓〓以下「小言」です〓〓


一応、JR八高線・箱根ヶ崎駅近くにもタクシーなどを使えば、温泉に行くことはできます。

もし、行かれる方は経路や温泉施設の営業時間・休業日などをホームページなどで「確認」しましょう!

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