本当に 怖いもの とは。
- ★★★ Excellent!!!
タイトルからは不穏さは感じられないが
不思議なループに落とし込まれる。そして
矢張りこれは怪談の類だったのだ、と
納得させられる。
事の発端は、巷で囁かれる噂。真夜中に
工事現場で女の啜り泣く声が聞こえて来る
それに何となく心当たりがある主人公。
独り歩きして行こうとする『怪談』を、
只、遠巻きに見ている彼は。
その正体とは。
いや、それ以上に。
主人公の『彼女』が怖い。いやいや、全く
普通の、更に言うと寧ろ可愛い彼女であり
何ら文字にしても怪奇要素は微塵もない。
甘いふわふわの菓子の様な無垢な彼女。
なのに、恐ろしい状況は加速して
それでも全てが どうでもいい とすら
思わせて来る、この彼女。
本当に怖いのは怪異なのか。それとも。