第7話

桃花の部屋は柔らかな間接照明に包まれ、落ち着いた雰囲気が漂っている。彼女が横たわるベッドはシンプルなデザインのセミダブルサイズで、薄いクリーム色のシーツがきっちりと敷かれている。掛け布団はふわりとした羽毛布団で、ライトグレーのカバーには小さな星柄が散りばめられており、可愛らしさと大人っぽさが混じったデザインだ。


桃花はその掛け布団を腰までかけ、横向きに体を少し丸めるようにしてスマートフォンを手にしていた。枕はふっくらとしたタイプで、カバーは淡いピンク色。横にはお気に入りのぬいぐるみが寄り添うように置かれていて、彼女がリラックスした時間を過ごしている様子がうかがえる。




夜、桃花の部屋は静かで、ベッドに横たわりながら彼女はスマートフォンを手に取った。グループ通話を開くと、陽夏莉と優華の名前が表示される。彼女は少しドキドキしながら通話を始めた。


「やっほー、陽夏莉! 優華!」桃花が元気に言った。


「やっほー、桃花!」陽夏莉の声が少し緊張しているように聞こえた。「実は、ちょっと相談したいことがあるんだけど…」


「相談? どうしたの?」優華が興味を持った。


「知子が、私にキスしたいって言ってきたんだ…」陽夏莉の声が小さくなった。


「ええっ!」桃花は枕を抱きしめながら身を乗り出した。「それってヤバくない?ロマンチックすぎて羨ましいんだけど!」桃花は驚きつつも、少し期待を込めて言った。


「でも、どうしたらいいかわからなくて…」陽夏莉は続けた。「私、どういう反応をしたらいいのか…」


「そっか、確かに困るよね。」優華は考え込んだ。

優華が真剣に言った。「愛の言葉が鍵かもね。」


「愛の言葉?」桃花は目を丸くした。「それって…『好きだよ』とかそういうの?」

桃花は首を傾げた。


そういうことじゃない?」優華は真剣に答えた。


優華は頷く。「そうそう。でも、いきなりハードル高いかも。陽夏莉、練習してみたら?」


「練習って…なんか恥ずかしい。」陽夏莉は顔が熱くなるのを感じた。


桃花が笑いながら口を挟んだ。「じゃあ、まずは『知子、今日の天気いいね』とか軽い感じでスタートしない?」


「それ会話の練習じゃん!」優華がツッコミを入れる。


「愛の告白かあ…」

「好きとか、、、…でも、まだそんなこと言えるほどの関係じゃないかもしれないし…」陽夏莉は迷った様子だった。


「陽夏莉が急に愛の告白とかしたら知子もびっくりするかもだし。」桃花は真面目に言い直した。「まずデート誘ってみたら?」「そこでお互いの気持ちを確かめるのがいいと思う。」


「確かに!」優華も同意した。「デート中に自然な流れで愛の言葉が出るかもだし。もし出なかったらその時考えればいい!」


「うん、そうだね…」陽夏莉は少し安心したように頷いた。「みんなの意見、すごく参考になるよ。ありがとう。」


桃花はスマホを見つめながら心の中で微笑んだ。友達の恋の相談に乗ることができて嬉しい気持ちがこみ上げてくる。


そのまま3人は夜更けまであれこれ話しながら、陽夏莉の恋の行方に一喜一憂していた。部屋の静寂に響く笑い声が、友情の温かさをより一層引き立てていた。

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